３Ｄ宝石集めアクションゲーム　手順１８

　ステージ内のランダムな位置に宝石のプレファブバリアント・ゲームオブジェクトを自動生成する機能を実装します。

＜実装画像＞

＜実装動画＞

　以下の内容で順番に実装を進めていきます。

手順１８　ーステージ内のランダムな位置に宝石を自動生成する機能ー

１．
２．

＜新しく学習する内容＞

　・空のゲームオブジェクトの活用例
　・while 文とコルーチンメソッドを利用したループ処理②

設計

　この機能の目的は、ステージ内のプレイヤーが移動できる範囲内に、一定時間おきにランダムな位置に宝石を生成することです。
具体的には以下の手順を行います。

　１．ステージ内に
　２．プレイヤーの移動できる範囲内に
　３．一定時間おきに
　４．ランダムな位置に対して
　５．宝石を生成する

　このうち、２の部分以外を実装していきます。

Cube ゲームオブジェクトを作成する

仮オブジェクト　インスペクター画像

Scene ビュー画像

Game ビュー画像

GemSpawner ゲームオブジェクトの子オブジェクトとして GemSpawnTran_0 ゲームオブジェクトを作成する

ヒエラルキー画像

ラベルの設定

　インスペクター画像

Scene ビュー画像

GemSpawnTran_1 ゲームオブジェクトを作成する

　インスペクター画像

Scene ビュー画像

Cube ゲームオブジェクトを非表示(非アクティブ化)にする

　次の手順でも利用しますが、デバッグする際には邪魔になりますので、
一旦、Cube ゲームオブジェクトを非表示にしておきます。

Scene ビュー画像

２．ランダム生成機能を実装する

１．設計

　１．ステージ内に
　３．一定時間おきに
　５．宝石を生成する

　１．ステージ内に
　３．一定時間おきに
【４．ランダムな位置に対して】
　５．宝石を生成する

GemSpawner スクリプトを修正する

　コルーチンには指定した秒数や指定した処理を行うまで処理を中断(待機)させるという制御方法があります。

　そこで、今までのように時間を計測するのではなく、指定した時間だけ処理を中断し、その後、宝石を生成させるという処理に置き換えて処理を追加しています。

　変数を宣言する場合、修飾子の種類ごとにまとめておく方法と、利用するタイミングが同じ種類のものでまとめておく方法があります。
今回はランダムな位置への生成機能のために利用する変数をまとめて順番に宣言しています。(そのため、修飾子の種類単位ではまとまっていません)
　

GemSpawner.cs

<= クリックすると開きます

using System.Collections;
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;

public class GemSpawner : MonoBehaviour
{
    [SerializeField]
    private GameObject gemPrefab;

    public float spawnInterval;　　　　//　宝石を生成するまでの待機時間の設定値用の変数


////*  利用しない変数をコメントアウト  *////


    //private float timer;               //  ゲーム内時間の計測用の変数。今回は使わない


////*  ここまで  *////


    [SerializeField]
    private Transform[] spawnGemTrans;　　　//　ランダムに生成するときに利用する範囲を設定するゲームオブジェクト群の Transform

    public bool isSpawnGem;　　　　　　　　 //　生成処理を行うかどうかの判定値。true なら生成する


    void Start() {
        // 宝石の生成
        //SpawnGem();


////*  新しい処理を追加  *////


　　　　// 中断時間の計測監視
        StartCoroutine(ObserveTimer());


////*  ここまで  *////


    }

    /// <summary>
    /// 宝石の生成
    /// </summary>
    public void SpawnGem() {

        // 生成
        Instantiate(gemPrefab);

        Debug.Log("宝石生成");
    }

    void Update()
    {

////*  ここからコメントアウト  *////


        //SpawnTimer();　　　//　時間の計測方法を変更するので、コメントアウトします


////*  ここまで  *////

    }

    /// <summary>
    /// 時間経過による宝石の生成
    /// </summary>
    private void SpawnTimer() {
        timer += Time.deltaTime;

        if (timer >= spawnInterval) {
            timer = 0;
            SpawnGem();
        }
    }


////*  ここからメソッドを２つ追加  *////


    /// <summary>
    /// 時間の計測監視
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    private IEnumerator ObserveTimer() {

        while (isSpawnGem) {

            // 指定した秒数だけ処理を中断(待機)
　　        yield return new WaitForSeconds(spawnInterval);
               
            // 指定した範囲内のランダムな位置に宝石を生成
            RandomSpawnGem();
        }
    }

    /// <summary>
    /// 指定した範囲内のランダムな位置に宝石を生成
    /// </summary>
    private void RandomSpawnGem() {

        // 生成位置をランダムに決定
        Vector3 spawnPos = new(Random.Range(spawnGemTrans[0].position.x, spawnGemTrans[1].position.x), 
　　　　　　　　　　　　　　　 spawnGemTrans[0].position.y,
　　　　　　　　　　　　　　　 Random.Range(spawnGemTrans[0].position.z, spawnGemTrans[1].position.z));

        // 生成
        GameObject gem = Instantiate(gemPrefab, spawnPos, gemPrefab.transform.rotation);


　　　　// TODO プレイヤーの移動範囲外に宝石を生成していないか判定し、生成してしまっている場合には最も近い移動範囲内に移動させる


////*  ここまで  *////


}

　スクリプトを修正したらセーブします。

＜while 文とコルーチンメソッドを利用したループ処理②＞

　while(ホワイル) 文は反復処理と呼ばれる処理です。条件を満たしている限り、繰り返し処理を行います。

　今回のケースでは条件が「isSpawnGem 変数の値が true の間」です。
よって、isSpawnGem 変数の値が true 以外の値(false)になるまではずっと繰り返されて終わることのない処理になります。　

　大きく分けて、for 文による繰り返しの処理は繰り返す回数が決まっている場合に利用し、
繰り返しの処理を回数ではなく条件によって設定したい場合には while 文を利用します。

　while文によるループ処理はコルーチンメソッド内でも記述することができます。
この場合には何秒後にループする、といった柔軟な書式が可能になります。
今回は yield return new WaitForSeconds を利用し、指定した秒数だけ中断してループを繰り返すという処理を実装しています。

     private IEnumerator ObserveTimer() {

　　　　// while 文は 条件式 を満たす限りループする。ここでは isSpawnGem変数の値が true である間は while 内の処理が繰り返し実行される
        while (isSpawnGem) {

            // 指定した秒数だけ処理を中断(待機)
　　        yield return new WaitForSeconds(spawnInterval);

　　　　　　// 指定した範囲内のランダムな位置に宝石を生成
            RandomSpawnGem();
        }
    }

    // while文の外に処理が記述されていた場合には、上記のwhile文の処理が終了してからでないと処理が実行されない
}

　今回実装している while 文内の処理では、以前 SpawenTimer メソッド内で記述していた時間の計測処理を
処理の中断時間という方法を使って、同じ処理の内容になるように実装しています。

　一番の違いはコルーチンメソッドを利用し、yield return new WaitForSeconds(spawnInterval) の処理をすることで、
時間を計測するのではなく、引数に指定した秒数だけ処理を中断して、その後、再開させることで、
時間の計測と同じように一定の間隔が発生する状態を作りだしています。

　そのため、この while 文による繰り返しの処理は次のような挙動になります。

　１．while 文の条件を満たしているか、確認する。満たしていない場合には、処理を終了する　→　while 文 { } ブロックの下にある処理に移る
　２．条件を満たしている場合には、while 文内の処理を実行する。(SpawenTimer メソッドと同じ内容を、yield return new WaitForSeconds(spawnInterval) によって実装している)
　３．RandomSpawnGem() メソッドを実行し、ランダムな位置に宝石を生成する
　４．【１】の処理に戻る

　コルーチンメソッドを利用し、while 分内に yield return ～の中断処理を挟むことにより
Update メソッドを利用していませんが、while 文による反復処理により、しっかりと一定の間隔で繰り返し処理を実装することが出来ています

　なお、while 文では処理を中断する処理を挟まないと繰り返しの処理が止まらなくなって、Unity のエディターが動かなくなります。
こうなってしまうと再起動するしかなくなりますので、while 文は特に気を付けて作業してください。

参考サイト

Unity 公式マニュアル
コルーチン

未確認飛行 C 様
反復処理

@kwst様
コルーチンの初歩的な使い方【Unity, 初心者】

　他にも自動的に攻撃を行うようにする処理は考えられます。色々な処理を試しておくことで処理の引き出しが広がり、
より多くの処理を実装できるようになりますので、いつも使っている処理だけではなく、新しい技術も取り入れていきましょう。

GemSpawner ゲームオブジェクトの設定を行う

　インスペクター画像

　以上で設定は完了です。

ゲームを実行して動作を確認する

＜実装画像＞

　以上でこの手順は終了です。

　=>　次は　手順１９　ープレイヤーが獲得できるランダムな位置に対して宝石を自動生成する機能(前回の修正)ー　です。

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