３Ｄ宝石集めアクションゲーム　手順１９

　前回の手順において、ステージ内のランダムな位置に宝石のプレファブバリアント・ゲームオブジェクトを自動生成する機能を実装しました。
　
　同時に問題点も見つかりました。

　ここからここまで、という範囲指定を行った上で、ランダムな位置に宝石を自動生成していますが、
この範囲内にはプレイヤーの移動できない場所も含まれているため、そういった位置に宝石を生成しては
プレイヤーが宝石を獲得することが出来ません。例えば建物内部や、木々の間といった位置です。

　この手順ではこの問題を解決する方法の１つを学習します。

＜実装画像＞

＜実装動画＞

動画ファイルへのリンク

　以下の内容で順番に実装を進めていきます。

手順１９　ープレイヤーが獲得できるランダムな位置に対して宝石を自動生成する機能(前回の修正)ー

１．
２．

＜新しく学習する内容＞

　・NavMesh.SamplePosition() メソッド

設計

　この機能の目的は、ステージ内のプレイヤーが移動できる範囲内に、一定時間おきにランダムな位置に宝石を生成することです。
具体的には以下の手順を行います。

　１．ステージ内に
　３．一定時間おきに
　４．ランダムな位置に対して
　５．宝石を生成する

　↓

　１．ステージ内に
【２．プレイヤーの移動できる範囲内に】
　３．一定時間おきに
　４．ランダムな位置に対して
　５．宝石を生成する

　このうち、【２．プレイヤーの移動できる範囲内に】という部分についてはまだ機能がありません。
完全にランダムな位置であるため、現在はプレイヤーの移動範囲外にも宝石が生成されてしまっています。

　今回の手順では【２．プレイヤーの移動できる範囲内に】の機能を追加していくことで、プレイヤーの取れる場所にだけ宝石を配置します。

　この実装にあたっては、NavMesh.SamplePosition() メソッドを利用して、宝石の生成した後の位置を調整して対応します。

Cube ゲームオブジェクトを修正する

Cube ゲームオブジェクト　インスペクター画像

Scene ビュー画像

Game ビュー画像

　それでは先ほどと同じように、左下と右上に、各 GemSpawnTran ゲームオブジェクトを移動させていきます。

GemSpawnTran_0 ゲームオブジェクトの位置を修正する

　移動させる際には Shift + F キーを押しておくことで、自動的にカメラが移動先に追従させることが出来ます。

オブジェクトの移動にカメラを追従させる

動画ファイルへのリンク

　以下は参考値です。実際には自分のプロジェクトに合わせて調整をおこなってください。

　インスペクター画像

Scene ビュー画像①

Scene ビュー画像②

Scene ビュー画像③

GemSpawnTran_1 ゲームオブジェクトの位置を修正する

　インスペクター画像

Scene ビュー画像①

Scene ビュー画像②

Scene ビュー画像③

Cube ゲームオブジェクトを削除する

　不要になりましたので、Cube ゲームオブジェクトを削除してください。

２．ランダム生成機能を実装する

１．設計

　宝石を生成する機能を実装するために、以下の手順に沿ってプログラムを作成していきます。

　１．ステージ内に
　３．一定時間おきに
　４．ランダムな位置に対して
　５．宝石を生成する

　１．ステージ内に
　２．プレイヤーの移動できる範囲内に
　３．一定時間おきに
　４．ランダムな位置に対して
　５．宝石を生成する

　この設計を元に、GemSpawner スクリプトを修正し、宝石の生成処理を追加します。

GemSpawner スクリプトを修正する

　このスクリプトでは、gemPrefab に設定した宝石プレファブを一定のインターバル（spawnInterval）でステージ内のランダムな位置に生成します。生成位置は、NavMesh.SamplePosition() メソッドを使ってプレイヤーが移動可能な範囲内に収められるようにしています。

GemSpawner.cs

<= クリックすると開きます

using System.Collections;
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;

public class GemSpawner : MonoBehaviour
{
    [SerializeField]
    private GameObject gemPrefab;

    public float spawnInterval;　　　　//　宝石を生成するまでの待機時間の設定値用の変数

    //private float timer;               //  ゲーム内時間の計測用の変数

    [SerializeField]
    private Transform[] spawnGemTrans;　　　//　ランダムに生成するときに利用する範囲を設定するゲームオブジェクト群の Transform

    public bool isSpawnGem;　　　　　　　　 //　生成処理を行うかどうかの判定値。true なら生成する


    void Start() {
        // 宝石の生成
        //SpawnGem();

　　　　// 時間の計測監視
        StartCoroutine(ObserveTimer());
    }

    /// <summary>
    /// 宝石の生成
    /// </summary>
    public void SpawnGem() {

        // 生成
        Instantiate(gemPrefab);

        Debug.Log("宝石生成");
    }

    void Update()
    {
        //SpawnTimer();
    }

    /// <summary>
    /// 時間経過による宝石の生成
    /// </summary>
    private void SpawnTimer() {
        timer += Time.deltaTime;

        if (timer >= spawnInterval) {
            timer = 0;
            SpawnGem();
        }
    }

    /// <summary>
    /// 時間の計測監視
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    private IEnumerator ObserveTimer() {

        while (isSpawnGem) {

            // 指定した秒数だけ処理を中断(待機)
　　        yield return new WaitForSeconds(spawnInterval);

　　　　　　// 指定した範囲内のランダムな位置に宝石を生成
            RandomSpawnGem();
        }
    }

    /// <summary>
    /// 指定した範囲内のランダムな位置に宝石を生成
    /// </summary>
    private void RandomSpawnGem() {

        // 生成位置をランダムに決定
        Vector3 spawnPos = new(Random.Range(spawnGemTrans[0].position.x, spawnGemTrans[1].position.x), 
　　　　　　　　　　　　　　　 spawnGemTrans[0].position.y,
　　　　　　　　　　　　　　　 Random.Range(spawnGemTrans[0].position.z, spawnGemTrans[1].position.z));

        // 生成
        GameObject gem = Instantiate(gemPrefab, spawnPos, gemPrefab.transform.rotation);


////*  ここから TODO 分の処理を実装  *////


　　　　// プレイヤーの移動範囲外に宝石を生成していないか判定し、生成してしまっている場合には最も近い移動範囲内に移動させる

        // SamplePosition は、第4引数に指定した範囲内の NavMesh において、第1引数について、最も近い点を検索する。見つかった場合には hit に代入される。置けない場合だけ false になる
        // navMeshHit変数は、NavMeshベイクエリアに置ける場合は、gem の positionの情報が代入される
        // NavMeshベイクエリアじゃない場合、一番近いNavMeshベイクエリアの情報が代入される
        if (NavMesh.SamplePosition(gem.transform.position, out NavMeshHit hit, 1.0f, NavMesh.AllAreas)) {

            // hit.position の値は、ベイクしたエリア内に置ける Position の場合には、gem の position と同じ値をそのまま代入し直す
            // そうでない場合には、一番近い NavMesh のベイクエリアの Position の値を代入する
            gem.transform.position = hit.position;

            Debug.Log("宝石の位置調整して配置");
        } else {
            Debug.Log("宝石の配置不可");
        }


////*  ここまで  *////


}

　スクリプトを修正したらセーブします。

＜NavMesh.SamplePosition メソッド＞

　NavMesh.SamplePosition() メソッドは、与えられた座標から指定した距離内で、プレイヤーが移動できる範囲の座標を探し出すメソッドです。これを利用することで、ステージ内の適切な位置に宝石を生成することができます。

        // SamplePosition は、第4引数に指定した範囲内の NavMesh において、第1引数について、最も近い点を検索する。見つかった場合には hit に代入される。置けない場合だけ false になる
        // navMeshHit変数は、NavMeshベイクエリアに置ける場合は、gem の positionの情報が代入される
        // NavMeshベイクエリアじゃない場合、一番近いNavMeshベイクエリアの情報が代入される
        if (NavMesh.SamplePosition(gem.transform.position, out NavMeshHit hit, 1.0f, NavMesh.AllAreas)) {
            // hit.position の値は、ベイクしたエリア内に置ける Position の場合には、gem の position と同じ値をそのまま代入し直す
            // そうでない場合には、一番近い NavMesh のベイクエリアの Position の値を代入する
            gem.transform.position = hit.position;

            Debug.Log("宝石の位置調整して配置");
        }

参考サイト

Unity 公式スクリプトリファレンス
NavMesh.SamplePosition

Zenn k1t(外神) 様
Unity C# Script 敵キャラをNavMeshでかしこくかっこよく動かしてみよう。

ゲームを実行して動作を確認する

　これで、ステージ内のランダムな位置に宝石のプレファブバリアントゲームオブジェクトが自動生成される機能が実装できました。プレイヤーは、宝石を回収することでスコアを獲得できるようになります。

＜実装画像＞

　以上でこの手順は終了です。

　=>　次は　手順２０　ーー　です。

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