コルーチンの練習問題②

　コルーチン機能の学習教材です。

WaitUntil のユースケース

　こちらでは yield return new WaitUntil のユースケースとサンプルコードを学習します。

１．ボタンの押下待ち

　プレイヤーが特定のボタンを押すまで待機し、そのボタンが押されたら処理を続行する場合に使用します。

using UnityEngine;
using System.Collections;

public class WaitUntilExample1 : MonoBehaviour
{
    void Start()
    {
        StartCoroutine(WaitForButton());
    }

    IEnumerator WaitForButton()
    {
        Debug.Log("Waiting for button press...");

        yield return new WaitUntil(() => Input.GetKeyDown(KeyCode.Space));

        Debug.Log("Space key pressed!");
    }
}

２．オブジェクトのオン待ち

　特定のゲームオブジェクトがアクティブ(あるいは非アクティブ)になるのを待機し、オブジェクトがアクティブ(あるいは非アクティブ)になったら処理を実行する場合に使用します。

using UnityEngine;
using System.Collections;

public class WaitUntilExample2 : MonoBehaviour
{
    public GameObject targetObject;

    void Start()
    {
        StartCoroutine(WaitForChangeTargetState());
    }

    IEnumerator WaitForChangeTargetState()
    {
        Debug.Log("Waiting for target object to be active...");

        yield return new WaitUntil(() => targetObject.activeSelf == true);

        Debug.Log("Target object is now active!");
    }
}

　このサンプルでは、WaitForChangeTargetStateコルーチンが定義されています。
指定されたtargetObjectがアクティブになるのを待ちます。
targetObject.activeSelf ==false を条件とすることで、非アクティブになるのを待つこともできます。

３．フラグの確認

　特定の条件やフラグが満たされるまで待機し、その条件が満たされたら処理を継続する場合に使用します。

using UnityEngine;
using System.Collections;

public class WaitUntilExample3 : MonoBehaviour
{
    public bool flag = false;
    public int count = 0;
    public int targetCount = 10;

    void Start()
    {
        StartCoroutine(WaitForFlag());
        StartCoroutine(WaitForCount());
    }

    IEnumerator WaitForFlag()
    {
        Debug.Log("Waiting for flag to be true...");

        yield return new WaitUntil(() => flag == true);

        Debug.Log("Flag is now true!");
    }

    IEnumerator WaitForCount()
    {
        Debug.Log("Waiting for button press...");

        yield return new WaitUntil(() => count > targetCount);

        Debug.Log("Space key pressed!");
    }
}

　このサンプルでは、WaitForFlagコルーチンと WaitForCountコルーチンが定義されています。
WaitForFlagコルーチンでは、指定された flagがtrueになるのを待機します。
WaitForCountコルーチンでは、指定された変数が条件を満たすまで待機します。

学習問題

　WaitUntilを使用して、特定の条件が満たされるのを待機するシステムを作成してください。
ボタンの押下、特定のコンポーネントやオブジェクトの状態変化など、任意の条件を指定し、正常に動作することを検証してください。

　←　クリックすると解答例を表示します。

using UnityEngine;
using System.Collections;

public class WaitForCondition : MonoBehaviour
{
    public bool conditionMet = false;

    void Start()
    {
        StartCoroutine(WaitForConditionToBeTrue());
    }

    IEnumerator WaitForConditionToBeTrue()
    {
        Debug.Log("Waiting for condition to be true...");
        yield return new WaitUntil(() => conditionMet == true);
        Debug.Log("Condition is now true!");
    }
}

　このスクリプトでは、conditionMetがtrueになるのを待機するWaitForConditionToBeTrueコルーチンが定義されています。

練習問題

１．通常のメソッドでの実装チャレンジ

　こちらでは、通常のメソッドでの実装と、コルーチンメソッドを使った実装の両方のパターンを学習します。
まずはコルーチンメソッドは利用せず、通常のメソッドのみで、下記の問題を考えて、処理を実装してください。

１．マウスクリックを待機し、その後、シーン遷移させる問題とサンプル解答を用意してください。
　　想定としてはタイトルからメインへの遷移です。

　←　クリックすると解答例を表示します。

using UnityEngine;
using UnityEngine.SceneManagement;

public class ClickToStart : MonoBehaviour
{
    void Update()
    {
        if (Input.GetMouseButtonDown(0)) // 左クリックを待機
        {
            SceneManager.LoadScene("MainScene"); // メインシーンへ遷移
        }
    }
}

　このスクリプトでは、毎フレームマウスの左クリックを待機し、クリックされたらMainSceneに遷移します。

２．敵の破壊数を計測し、目標数の変数値になったらゲームクリアとするサンプル解答を用意してください。

　２つ提示します。１つは Update メソッドで常に値を監視する方法。
もう１つは敵を倒したタイミングでメソッドを実行して効率よく管理する方法の２つです。

　処理負荷的には、２つ目の方法がよいでしょう。
なぜなら、ボタンのようにいつ押されるかわからない場合と異なり、敵を倒す、という処理のタイミングが決まっていますので
常時監視する必要はなく、適切なタイミングで処理をその都度行うようにすればよいからです。

　←　クリックすると解答例を表示します。

using UnityEngine;

public class EnemyManager : MonoBehaviour
{
    public int totalEnemies = 10;
    private int destroyedEnemies = 0;

　　void Update() {
        EnemyDestroyed();
    }

    void EnemyDestroyed()
    {
        destroyedEnemies++;
        if (destroyedEnemies >= totalEnemies)
        {
            Debug.Log("Game Clear!");
        }
    }
}

　このスクリプトでは、Update メソッド内で EnemyDestroyed() メソッドを実行し、常時、監視を行います。
totalEnemiesで指定された敵の数を計測し、EnemyDestroyedメソッドで敵が破壊されるたびにカウントを増やします。全ての敵が破壊されると、「Game Clear!」というメッセージが表示されます。

using UnityEngine;

public class EnemyManager : MonoBehaviour
{
    public int totalEnemies = 10;
    private int destroyedEnemies = 0;


    public void EnemyDestroyed()
    {
        destroyedEnemies++;
        if (destroyedEnemies >= totalEnemies)
        {
            Debug.Log("Game Clear!");
        }
    }
}

　こちらでは外部クラスより EnemyDestroyed()メソッドを実行し、処理を行います。

３．【２】の処理を改良し、【１】の機能と組み合わせて、クリア表示後に画面をクリックしたらタイトルシーンに遷移するサンプル解答を用意してください。

　【２】の処理を Update ではなく、外部クラスから実行する形に変更しても構いません。

　←　クリックすると解答例を表示します。

using UnityEngine;
using UnityEngine.SceneManagement;

public class GameClearManager : MonoBehaviour
{
    public int totalEnemies = 10;
    private int destroyedEnemies = 0;
    private bool isGameClear = false;

    void Update()
    {
        // ゲームクリア後の画面クリック時の処理
        if (isGameClear && Input.GetMouseButtonDown(0))
        {
            SceneManager.LoadScene("TitleScene");
        }
    }

    public void EnemyDestroyed()
    {
        destroyedEnemies++;
        if (destroyedEnemies >= totalEnemies && !isGameClear)
        {
            isGameClear = true;
            Debug.Log("Game Clear!");
        }
    }
}

　このスクリプトでは、Updateメソッドでクリア用のフラグと画面がクリックされるのを待機し、条件を満たしたうえでクリックされたらタイトルシーンに遷移します。

２．コルーチンメソッドでの実装チャレンジ

　先ほど通常のメソッドで作成した【１】～【３】の処理を、すべてコルーチンメソッドを使って作り直してみてください。

１．マウスクリックを待機し、その後、シーン遷移させる問題とサンプル解答を用意してください。
　　想定としてはタイトルからメインへの遷移です。

　←　クリックすると解答例を表示します。

using UnityEngine;
using UnityEngine.SceneManagement;
using System.Collections;

public class ClickToStart : MonoBehaviour
{
    IEnumerator Start()
    {
        yield return new WaitUntil(() => Input.GetMouseButtonDown(0)); // 左クリックを待機
        SceneManager.LoadScene("MainScene"); // メインシーンへ遷移
    }
}

　このスクリプトでは、Startコルーチンを使用して左クリックを待機し、クリックされたらメインシーンに遷移します。

２．敵の破壊数を計測し、目標数の変数値になったらゲームクリアとするサンプル解答を用意してください。

　←　クリックすると解答例を表示します。

using UnityEngine;
using System.Collections;

public class EnemyManager : MonoBehaviour
{
    public int totalEnemies = 10;
    private int destroyedEnemies = 0;

    public void Start()
    {
        StartCoroutine(CheckGameClear());
    }

    IEnumerator CheckGameClear()
    {
        while (destroyedEnemies < totalEnemies)
        {
            yield return null; // 毎フレーム待機
        }
        Debug.Log("Game Clear!");
    }

    public void EnemyDestroyed()
    {
        destroyedEnemies++;
    }
}

　
　このスクリプトでは、CheckGameClearコルーチンを使用して、敵の破壊数が目標数に達するまで待機し、目標数に達したら「Game Clear!」というメッセージを表示します。
敵が破壊されるたびにEnemyDestroyedメソッドが呼び出され、破壊された敵の数をカウントアップします。

３．【２】の処理を改良し、【１】の機能と組み合わせて、クリア表示後に画面をクリックしたらタイトルシーンに遷移するサンプル解答を用意してください。

　←　クリックすると解答例を表示します。

using UnityEngine;
using UnityEngine.SceneManagement;
using System.Collections;

public class GameClearManager : MonoBehaviour
{
    public int totalEnemies = 10;
    private int destroyedEnemies = 0;
    private bool isGameClear = false;

    void Start()
    {
        StartCoroutine(GameClearCoroutine());
    }

    IEnumerator GameClearCoroutine()
    {
        while (true)
        {
            yield return null; // 1フレーム待機

            // ゲームクリアの条件を確認
            if (destroyedEnemies >= totalEnemies && !isGameClear)
            {
                isGameClear = true;
                Debug.Log("Game Clear!");

                // 画面をクリックするのを待機
                yield return new WaitUntil(() => Input.GetMouseButtonDown(0));

                // タイトルシーンに遷移
                SceneManager.LoadScene("TitleScene");

                // コルーチン終了
                yield break;
            }
        }
    }

    public void EnemyDestroyed()
    {
        destroyedEnemies++;
    }
}

　このリファクタリングされたコードでは、ゲームクリアの条件を確認する部分を毎フレームループでチェックしています。
条件が満たされた場合、コルーチン内でゲームクリアを表示し、画面クリックの待機を行います。
そして、クリックされた時点でタイトルシーンに遷移し、コルーチンを終了します。

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