VRアクションゲーム　SkyBox の変更

　シーン開始時にシーンに応じた SkyBox を設定する機能を追加します。
合わせて、ゲームの途中での SkyBox の変更処理についても追加します。

＜実装動画＞

設計

　ゲーム世界の雰囲気つくりの一環として SkyBox の設定と、シーンの状況に応じた切り替え機能を実装します。

　SkyBox の設定は Rendering 内の Environment の設定で行いますが、この部分はスクリプトからゲーム中に動的に変更が可能になっています。
その機能を利用し、ゲームシーンの開始時に、シーンの名前から SkyBox を自動的に設定する設計にします。

SkyBoxChanger スクリプトを作成する

　SkyBox の切り替えを専門に行うクラスとして、SkyBoxChanger スクリプトを作成します。
　
　メソッドは３つ用意していますが、今回利用するのは SetSkyBox メソッドのみです。
このメソッドでは、現在のシーンの名称を取得し、SkyBox のマテリアルを登録する用の配列と照合して SkyBox の変更を行っています。

　他の２つのメソッドについてですが、ChangeSkyBox メソッドは、引数で受け取った番号の情報をそのまま配列の index 番号として利用する設定になっています。
そのため、指定した番号の SkyBox に設定されることになります。

　SetSkyBoxFromGameScene メソッドは引数で受け取る情報がシーン名となっており、SceneName の番号と同期させて利用する場合に利用します。
その場合、シーンの数と同じ数の配列を用意し、シーンの順番と対応した並び順でマテリアルを設定しておきます。

SkyBoxChanger.cs

<= クリックすると開きます

using System.Collections;
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;

public class SkyBoxChanger : MonoBehaviour
{
    [SerializeField]
    private Material[] skyBoxMaterials;


    /// <summary>
    /// SkyBox の変更
    /// </summary>
    public void SetSkyBox() {
        RenderSettings.skybox = SceneStateManager.instance.currentSceneName switch {
            SceneName.Search => skyBoxMaterials[0],
            SceneName.InvasionAndEscape => skyBoxMaterials[1],
            _ => skyBoxMaterials[0]
        };
    }

    /// <summary>
    /// SkyBox の変更(引数の情報を配列に利用する場合)
    /// </summary>
    /// <param name="index"></param>
    public void ChangeSkyBox(int index) {
        RenderSettings.skybox = skyBoxMaterials[index];
    }

    /// <summary>
    /// SkyBox の設定(Scene の名称から配列の index を参照する場合)
    /// </summary>
    public void SetSkyBoxFromGameScene() {
        RenderSettings.skybox = skyBoxMaterials[(int)SceneStateManager.instance.currentSceneName];
    }
}

SkyBoxChanger ゲームオブジェクトを作成して、スクリプトをアタッチする

　ヒエラルキーにある GameSceneManager ゲームオブジェクトに SkyBoxChanger スクリプトをアタッチします。

　SkyBoxMaterials変数には、設定したい SkyBox 用のマテリアルをドラッグアンドドロップしてアサインしておきます。
Element 0 には探索シーン、Element 1 には侵入・逃走シーン用のマテリアルをドラッグアンドドロップしてアサインしてください。

　Size を 2 以上にして Element 2 以降を作成する場合には、適宜なマテリアルをドラッグアンドドロップしてアサインしてください。
例えば、ゲームのシーンの途中で SkyBox を変更したいようなケースで利用します。

インスペクター画像

　以上でこのゲームオブジェクトは完成です。

GameSceneManager スクリプトを修正する

　UniRX を利用したケースでの修正方法を提示しておきます。

　SkyBoxChanger スクリプトの参照を変数で用意しておき、Start メソッドで SkyBox の変更を行うことにより、
シーンに応じた SkyBox を設定する機能を実装しています。

GameSceneManager.cs

<= クリックすると開きます

using System.Collections;
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;
using UniRx;
using UniRx.Triggers;
using TMPro;

public class GameSceneManager : MonoBehaviour
{
    [SerializeField]
    private float searchTime = 300;

    [SerializeField]
    private float invationAndEscapeTime = 600;

    [SerializeField]
    private float debugTime = 3;

    public ReactiveProperty<float> CurrentGameTime = new ReactiveProperty<float>();

    [SerializeField]
    private TMP_Text txtGameTime;


////*  変数の宣言を１つ追加  *////


    [SerializeField]
    private SkyBoxChanger skyBoxChanger;


////*  ここまで  *////


    private bool isGameUp;


    void Start() {


////*  処理を追加  *////


　　　　// シーンに応じた SkyBox の設定
        skyBoxChanger.SetSkyBox();


////*  ここまで  *////


　　　　// シーンごとのゲーム時間を取得
        CurrentGameTime.Value = GetGameTimeFromScene();

        // UniRx を利用してゲーム時間の監視(ReactiveProperty の購読)を行い、値の更新に合わせて UpdateDisplayGameTime メソッドを実行する
        CurrentGameTime.Subscribe(x => UpdateDisplayGameTime(x)).AddTo(this);

　　　　// Update の機能を持つ UniRX を利用する
        this.UpdateAsObservable()
            .Where(_ => !isGameUp)  // 購読が停止しないので、条件をつけて制御しないとシーン遷移が複数回走る
            .Subscribe(_ => {

          　　  // 時間計測と 0 以下にならないように制御
                CurrentGameTime.Value = Mathf.Max(0, CurrentGameTime.Value - Time.deltaTime);

                if (CurrentGameTime.Value <= 0.0f) {
                    isGameUp = true;

                    // タイムオーバー表示

                    // 現在のシーンを元に、次のシーンへ遷移
                    SceneStateManager.instance.PrepareteNextScene(GetNextSceneName());
                }
            }).AddTo(this);   // このクラスがアタッチされているゲームオブジェクトが破壊されたら、処理を停止する
    }

    /// <summary>
    /// ゲーム画面内の時間表示更新
    /// </summary>
    /// <param name="time"></param>
    private void UpdateDisplayGameTime(float time) {
        txtGameTime.text = time.ToString("F1");
    }

    /// <summary>
    /// シーンごとのゲーム時間を取得
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    private float GetGameTimeFromScene() {
        return SceneStateManager.instance.currentSceneName switch {
            SceneName.Search => searchTime,
            SceneName.InvasionAndEscape => invationAndEscapeTime,
            _ => debugTime
        };
    }

    /// <summary>
    /// 次のシーン名の取得
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    private SceneName GetNextSceneName() {
        return SceneStateManager.instance.currentSceneName switch {
            SceneName.Search => SceneName.InvasionAndEscape,
            SceneName.InvasionAndEscape => SceneName.Result,
            SceneName.Result => SceneName.Title,
            SceneName.Title => SceneName.Preparation,
            _ => SceneStateManager.instance.currentSceneName
        };
    }
}

GameSceneManager ゲームオブジェクトの設定を行う

　SkyBoxChanger 変数に、GameSceneManager ゲームオブジェクトにアタッチしている SkyBoxChanger スクリプトを
ドラッグアンドドロップしてアサインします。

インスペクター画像

　以上で設定は完了です。

ゲームを実行して動作を確認する

　以上で完成です。SkyBox 用のマテリアルなどをアサイン情報を変更しながら、シーン開始時に SkyBox が変更されるかを確認してください。

＜実装動画＞

動画ファイルへのリンク

　以上でこの手順は完成です。

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