【２Ｄ】オブジェクトプールを活用した弾生成の最適化②

　前回の記事から引き続き、オブジェクトプールの機能の実装を行います。

　　　=>　【２Ｄ】オブジェクトプールを活用した弾生成の最適化
　

１．オブジェクトプール専用のプレハブを作成する

　弾用のプレハブがそれぞれあると思いますので、どちらも複製して名称変更します。
そしてアタッチするスクリプトを変更しておきましょう。

＜Prefabs フォルダ＞

＜旋回する弾＞

＜投射する弾＞

　
　スクリプトを変更しておかないと、Generator 用のスクリプトにアサイン出来ません。

２．弾を生成するクラスの修正用サンプルコード

　こちらも先ほどの手順で作成した OrbitingBulletGenerator をスクリプトを元に修正します。
ただし、修正箇所が多いため、新しいスクリプトを作成し直した方がよいでしょう。

　MonoBehaviour クラスではなく、GeneratorBase クラスを継承しています。
そのため、このクラスには、GeneratorBase クラスに定義されているすべての機能が備わっています。

　旋回する弾(OrbitingBullet)については、オブジェクトプールの機能を利用して、生成・表示を行います。

　いままでと同じように投射する弾を生成し、初期設定する命令と発射する命令を実行していますが、
発射し終わった旋回する弾をオブジェクトプールに戻すようにしています。

OrbitingBulletGenerator_Pool.cs

<= クリックすると開きます。

using System.Collections;
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;
using DG.Tweening;

/// <summary>
/// オブジェクトプールとクラス継承したタイプの使用例
/// </summary>
public class OrbitingBulletGenerator_Pool : GeneratorBase　　//　←　GeneratorBase クラスを継承します
{
    [SerializeField] private int debugNumberOfBullets = 3;

    [SerializeField] 
    private List<BulletBase> bulletList = new();

    private readonly float tweenTime = 0.3f;

    //放射時の設定値
    [SerializeField] private ThrowingBullet_Pool throwingBulletPrefab;
    private OrbitingBulletState currentOrbitingBulletState = OrbitingBulletState.Nothing;
    public OrbitingBulletState CurrentOrbitingBulletState => currentOrbitingBulletState;


    public override void GenerateBullet(Vector2 direction) { }

    /// <summary>
    /// バレットの生成と配置ができるかキャストして確認
    /// </summary>
    /// <param name="direction"></param>
    /// <param name="numberOfBullets"></param>
    /// <typeparam name="T"></typeparam>
    public override void GenerateBullet<T>(Vector2 direction, T numberOfBullets) {
        Debug.Log("開始");
        
        // int にキャストできるか確認
        if (numberOfBullets is int intNumberOfBullets) {
            // バレットの生成と配置
            GenerateBullets(direction, intNumberOfBullets);
            Debug.Log("生成開始");
        }
    }

    /// <summary>
    /// バレットの生成と配置
    /// </summary>
    /// <param name="direction"></param>
    /// <param name="numberOfBullets"></param>
    private void GenerateBullets(Vector2 direction, int numberOfBullets) {
        // デバッグ用
        numberOfBullets = numberOfBullets == 0 ? debugNumberOfBullets : numberOfBullets;

        currentOrbitingBulletState = OrbitingBulletState.Turning;

        //  弾の数に基づいて、各弾の発射角度を計算
        float offsetAngle = 360f / numberOfBullets;

        // 弾の数だけループ
        for (int i = 0; i < numberOfBullets; i++) {
            // 今回発射する弾の角度を計算
            float angle = i * offsetAngle;

            // 発射角度をベクトルに変換して、弾の進行方向を計算(Quaternion * Vector3 の計算)
            Vector3 offsetDirection = Quaternion.Euler(0, 0, angle) * direction;
            Debug.Log($"弾の進行方向と位置 : {offsetDirection}");

            // 弾を生成する
            // オブジェクトプールから取り出す。無ければ生成する
            BulletBase bullet = GetBullet(transform.position, Quaternion.identity);
            

            // 弾とプレイヤーの親子関係の構築
            bullet.transform.SetParent(charaController.transform);

            // DOTween の処理
            {
                // 現在のサイズを一時保存してから、サイズをすべて 0 にして手裏剣を見えない状態にする
                float scale = bullet.transform.localScale.x;
                bullet.transform.localScale = Vector3.zero;

                // サイズを元に戻すことで、手裏剣をサイズアップさせて徐々に表示する
                Sequence sequence = DOTween.Sequence();
                sequence.Append(bullet.transform.DOScale(Vector3.one * scale, tweenTime)
                    .SetEase(Ease.OutBack));

                // 配置位置まで移動。DOTween で配置する場合、座標移動は生成時ではなく DOTween でおこなう
                sequence.Join(bullet.transform
                    .DOLocalMove(bullet.transform.localPosition + offsetDirection, tweenTime)
                    .SetEase(Ease.InQuart));
            }

            // 弾の設定(公転回転開始)
            bullet.SetUp(charaController);

            bulletList.Add(bullet);
        }
    }

    /// <summary>
    /// プレイヤーの向いている方向に弾を放射
    /// </summary>
    /// <param name="direction"></param>
    public void GenerateThrowingBullet(Vector2 direction) {

        currentOrbitingBulletState = OrbitingBulletState.Thorwing;

        // 複数の弾を管理するためのコンテナ役のオブジェクトを生成
        ThrowingBullet_Pool throwingBullet = Instantiate(throwingBulletPrefab, transform.position, Quaternion.identity);

        // 各弾をコンテナの子オブジェクトにしてから、コンテナを発射
        throwingBullet.SetUp(bulletList);
        throwingBullet.Shoot(direction * bulletSpeed, duration);
        Debug.Log(direction * bulletSpeed);

        // 次の弾の生成準備
        StartCoroutine(ResetOrbitingBullets());
    }

    /// <summary>
    /// 弾を放射した後の処理
    /// OrbitingBulletState.Nothing にすることで、CharaController 側で再度、手裏剣の生成処理を実行させる
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    private IEnumerator ResetOrbitingBullets() {

        yield return new WaitForSeconds(duration + 0.2f);

        // 弾は各自で Release してオブジェクトプールに戻しているので、弾を管理していた List のみクリアする
        bulletList.Clear();

        currentOrbitingBulletState = OrbitingBulletState.Nothing;
    }
}

　弾を生成する処理がオブジェクトプールの機能を利用する方法にリファクタリングされています。

// 弾を生成する
// オブジェクトプールから取り出す。無ければ生成する
BulletBase bullet = GetBullet(transform.position, Quaternion.identity);

　この処理の前後(DOTween を利用する部分など)は変更ありません。

　また以前は旋回する弾を破棄していた部分については、投射用のスクリプト内でオブジェクトプールに戻す処理を行っているため、
代わりに List の中身を削除するだけになっています。

３．修正(作成)した Generator スクリプトの設定を行う

　新しく作成した Generator スクリプトをプレイヤー用のゲームオブジェクトにアタッチします。
(修正して利用する場合には、すでにアタッチされていますので、アタッチは不要です。)

　アタッチされているゲームオブジェクトのインスペクターを確認し、新しく追加した変数の設定を行います。

インスペクター画像

　orbitingBulletPrefab 変数と throwingBulletPrefab 変数には、新しく作成した弾のプレハブをそれぞれアサインします。

　throwingSpeed 変数は投射する速度、duration は投射する弾の生存期間です。生存期間後に破壊されます。

　下記は参考値です。

インスペクター画像

４．攻撃処理用のスクリプトを修正する

　抜粋しますので、自分のプロジェクトに合わせて実装してください。

　仮に CharaController としています。

CharaController.cs


　　//　他のメンバ変数　//


    [SerializeField] private GeneratorBase generatorBullet;
    private OrbitingBulletGenerator_Pool orbitingBulletGeneratorPool;


    void Start() {
        direction = new Vector2(0, -1); //プレイヤーの初期方向をセット。何も設定をしないと最初directionは(0, 0)なので、これでプレイヤーの向きと同期する
        
        // オブジェクトプール      
        generatorBullet.SetUpBulletGenerator(this);
        generatorBullet.GenerateBullet(direction, level);

　　　　// 投射処理の準備
        if (!TryGetComponent(out orbitingBulletGeneratorPool)) {
            Debug.Log("取得出来ません");
        }
    }

    void Update() {
        if (Input.GetMouseButton(0)) {
            Vector2 tapPos = Camera.main.ScreenToWorldPoint(Input.mousePosition);

            Move(tapPos);
        }

        // オブジェクトプール
        // 公転回転している弾をまとめて放射
        if (Input.GetMouseButtonDown(1) && orbitingBulletGeneratorPool.CurrentOrbitingBulletState == OrbitingBulletState.Turning) {
            
　　　　　　// 投射処理
            orbitingBulletGeneratorPool.GenerateThrowingBullet(direction);

　　　　　　// オブジェクトプールを利用して、旋回する弾を再利用
            StartCoroutine(PrepareOrbitingBulletPool());
        }
    }
    
    /// <summary>
    /// 回転する弾の生成準備
    /// オブジェクトプール用
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    private IEnumerator PrepareOrbitingBulletPool() {

        // 放射した弾がなくなるまで待機
        yield return new WaitUntil(() => orbitingBulletGeneratorPool.CurrentOrbitingBulletState == OrbitingBulletState.Nothing);

        // オブジェクトプールを利用して弾を表示、あるいは生成
        orbitingBulletGeneratorPool.GenerateBullet(direction, level);
    }

　　//　他の処理　//

　スクリプトを修正したらセーブします。　

５．プレイヤーの設定を行う

　プレイヤー用のゲームオブジェクト(この例では CharaSet ゲームオブジェクト)を選択し、インスペクターを確認します。
新しく追加した変数が表示されていますので、同じゲームオブジェクトにアタッチしている Generator 用のスクリプトをアサインしてください。

＜アサイン前＞

＜アサイン後とアサインする Generator 用のスクリプト＞

６．ゲームを実行して動作を確認する

　ゲームを実行して動作を確認しましょう。

　漠然と動かすのではなく、自分が作成したスクリプトの内容を確認し、処理が正常に動作しているかを見極める力をつけていってください。

　インスペクターで生成する弾の数を指定できますので、値を変更しながらデバッグして確認する必要があります。
弾の数に応じて等間隔で配置されるかを確認しましょう。

＜確認動画　ーボタンを押すとプレイヤーの進行方向に弾をまとめて投射するー＞

動画ファイルへのリンク

　上手く動かない場合には、Unity 内の設定や、スクリプトの内容を見直してください。
　

　以上で完成です。

このページを編集するこのページを元に新規ページを作成

印刷する

コメント（0）

【２Ｄ】オブジェクトプールを活用した弾生成の最適化② - i-school 先頭へ

コメントをかく

名前	ユーザIDを使用しないで書き込む	ユーザーIDを使う	ログインする
画像コード	画像に記載されている文字を下のフォームに入力してください。
備考	「http://」を含む投稿は禁止されています。
本文
利用規約をご確認のうえご記入下さい

i-school