i-school - VRアクションゲーム ゲームの世界観を体現するための UI 製作
 多くのゲームはゲーム内においてユーザーやゲーム内情報が管理されているため、それらの内から、ユーザーに必要になる情報については
ゲーム画面に表示するための UI 機能が必要になります。

 VR の場合、ゲーム世界への没入感の高さがゲームのセールスポイントになりますので、
ゲームの世界観のイメージについても、UI 部分に反映させていき、システムとしてゲームに落とし込むことで
よりゲーム世界へのスムースな体験を促すことが出来ます。

 ここでは今回製作しているゲームを元に、UI 表示の設計と製作について検討してみましょう。



設計


 VR ならではのゲーム体験の一環として、UI 表示についても、ゲームの世界観を体現するための要素の1つとして検討して設計を行っていきます。

 例えば下記のゲームでは、プレイヤーの装備している盾の裏側に UI 表示が用意されており、
盾を構えるモーションを行うことでステータスの確認も一緒に行えるようになっています。

 参考ゲーム
ルインズメイガス
https://ruinsmagus.com/

 このように、通常のゲームであればゲーム画面内に常時配置して表示しておく UI についても
設計次第によっては、ゲームの世界観に即した内容に落とし込んだデザインとシステムを作りだすことができ、
その結果、新しいユーザー体験として提供できることになります。

 今回のゲームにおける UI 部分をピックアップし、それらについて、上手くゲームの世界観のマッチする方法はないかを検討してみましょう。

 1.残り時間表示
 2.ミニマップ表示
 3.インベントリ表示

 ここにピックアップしているものも、あくまで参考例です。
他にも実装方法は考えることができますので、色々な視点で物事を見ていくようにしてください。


1.残り時間表示


 ゲームの残り時間の概念がある場合、その多くはゲーム内の UI にて常時表示し、ユーザーの残り時間を提示することがほとんどです。

 この部分を根底から検討し直してみましょう。

 Unity の場合、UI についてもゲーム画面上に固定する以外に、ゲーム内に配置(キャラなどと同じ座標軸)することが出来ます。
特に VR の場合には、360 度の世界を見渡すことが出来ますので、多くのゲーム画面のように UI を特定の位置に固定化させなくてもいいでしょう。

 今回のケースでは、ユーザーの腕部分に着目し、腕を動かすことで腕時計が表示されて、その部分に残り時間を表示させるという手法で
ゲームのシステムとなる部分を VR ならではの見せ方に変更しています。


時計のモデル


 色々な無料サイトに腕時計の3Dモデルがありますので、自分の気に入ったもの、世界観に合ったものをインポートしてください。

 下記は参考サイトです。

TurboSquid
https://www.turbosquid.com/ja/


時間表示を UI デザインに落とし込みゲーム内に表現する


 色々な再現方法があります。今回はデジタル表記かつ、秒数カウントにしていますが、
アナログ時計にしたり、分:秒 の表示にしたりすることも出来ます。

 自分のイメージしているものを再現できるように挑戦してみてください。

 下記は参考画像です。
昔ながらの腕時計が実は近未来のデバイスという設定で、残り時間が浮かびあがってみえるように角度を付けたりしています。

 






2.ミニマップ表示


 ミニマップ表示についても同様に、ゲーム画面に固定化せずに、VR ならでは演出で表現することが出来ます。

 今回のケースであれば、同じく腕時計の文字盤部分にミニマップを表示し、
その上に残り時間を表示することで、マップの確認と残り時間の確認を一緒に行えるようにしています。

 それ以外にも見せ方はあると思いますので、 VR らしい、新しい演出で表現することができないかを考えてみてください。


3.インベントリ表示


 獲得したアイテムを表示するインベントリの表示についても、検討してみましょう。

 多くのゲームであれば、ボタンを押すことで専用のポップアップやインベントリ画面が表示されて
その中で現在のインベントリの確認を行うケースが一般的であります。

 それをそのまま活用していくことももちろん問題ありませんが、VR らしさという部分では目新しさは感じられません。

 ユーザーが「おっ!」と驚いて興味を持つような仕掛けの1つとしてインベントリ部分も表現を考えてみましょう。

 出来ればワールド座標(ゲーム世界内)に表示して操作できるようになっていると、VR ならではの操作を体験してもらうことができるはずです。



 ここに紹介した内容以外にも VR であることの利点を活かしたゲーム画面作りがあると思います。

 既存の考え方も重要ですが、それをベースに、何か変更できる部分はないか、新しい視点で見直してみることで気づきがあると思います。