i-school - メソッドの引数を活用したプログラムの汎用性・再利用性について

プログラムの得意なこととは


 プログラムは、繰り返し実行される処理や複雑な計算を効率的に行うことが得意です。
また、条件に応じて異なる処理を行う分岐処理や、プログラムの構造を整理するためのモジュール化も得意な分野です。

 これにより、人間が手作業で行うよりもはるかに高速で正確な処理を実現できます。
さらに、データの収集や分析、グラフィカルなユーザーインターフェイスの提供など、多様な用途に対応することができます。


再利用性の低いプログラム、汎用性の低いプログラムとは


 再利用性の低いプログラムとしては、同じ処理を複数箇所で行っている場合に、その処理を直接記述しているプログラムが挙げられます。

 例えば、以下のようなプログラムです。


 このプログラムは、2つのメッセージを出力するだけの簡単なプログラムですが、再利用性が低く、汎用性もありません
このプログラムで別の場所で同じ処理を行う場合には、同じコードを複数箇所に記述する必要があります。
これは、コードの重複を引き起こし、保守性が低下する原因となります。

 また、このプログラムは、文字列リテラルを直接使っているため、メッセージを変更する場合には、
プログラムの全ての箇所を探して修正する必要があります。
さらに、このプログラムは、文字列型の値しか扱えないため、異なる型の値を扱う場合には、別のコードを書く必要があります。

 このように、再利用性が低く、汎用性が低いプログラムは、コードの重複を引き起こし、保守性が低下する原因となります。


再利用性の高いプログラム ーメソッドの活用ー


 再利用性の高いプログラムを作成するためには、メソッドの活用が重要です。
メソッドとは、特定の処理を行うプログラムの一部で、他のプログラムから呼び出すことができます。

 メソッドを活用することで、同じ処理を繰り返し実行する際にコードの重複を防ぎ、保守性を向上させることができます。

 例えば、以下のようなメソッドを作成することができます。


 このメソッドは、引数として受け取った文字列をコンソールに出力します。
このメソッドを活用することで、異なるメッセージを出力する際に、コードの重複を防ぐことができます。


 このように、メソッドを活用することで、プログラムの再利用性を高めることができます。
さらに、メソッドを適切に分割することで、プログラム全体の構造がわかりやすくなり、コードの可読性や保守性も向上します。


汎用性の高いプログラム ー変数の活用ー


 メソッドの引数は、処理に必要なデータや情報を渡すために使用されます。引数を活用することで、メソッド内で必要なデータを取得することができます。また、同じ処理を複数回実行する場合、引数を変更することで簡単にデータを変更できます。

 例えば、以下のようなメソッドがあったとします。


 このメソッドでは、引数として文字列の message を受け取り、それをコンソールに出力する処理を行っています。
このように、引数を活用することで、メソッドの汎用性を高めることができます。


クラスを分けている理由


 クラスを分ける理由は、プログラムを構造化し、管理しやすくするためです。クラスはそれぞれ独立しているため、特定の機能に特化したクラスを作成することができます。また、複数のクラスを使い分けることで、プログラム全体の保守性や拡張性を高めることができます。

 例えば、以下のような2つのクラスがあったとします。



 この例では、ClassA の DoSomething メソッドで ClassB の Execute メソッドを呼び出しています。
これにより、ClassA と ClassB の機能が分かれ、それぞれ独立したクラスとして管理されます。
このように、クラスを分けることで、プログラムをより構造化し、管理しやすくすることができます。



 引数を利用することで、メソッド内の処理をリテラル表記ではなく変数化することができます。
このことによって、メソッドの処理を抽象化することができます。

 例えば、以下のようなメソッドがあったとします。


 このメソッドは、固定のメッセージを出力するだけの単純な処理です。
しかし、このメッセージを変更したい場合には、メソッドの中身を直接書き換える必要があります。
これは、プログラムの保守性を低下させる原因になります。

 一方で、引数を利用した場合は、メッセージを変数として扱うことができます。

 例えば、以下のように変更することができます。


 このメソッドでは、引数として message を受け取り、それを出力する処理を行っています。このようにすることで、メッセージを変更する場合には、呼び出し元で引数を変更するだけで済みます。これによって、プログラムの保守性を向上させることができます。

 メソッドを使いまわせば、異なるメッセージを出力することができます。

 例えば、先程の PrintMessage メソッドを使いまわして、異なるメッセージを出力することができます。

 

 このように、同じメソッドを複数回呼び出すことで、異なるメッセージを出力することができます。これによって、プログラムの再利用性を高めることができます。



 リテラル表記ではなく、変数を使うことによって、プログラムの可読性を高めることができます。

 変数を使うことで、値の意味をわかりやすく表現することができます。
また、変数名に意味のある名前を付けることで、プログラムの意図が明確になり、保守性が向上します。

 さらに、変数を使うことで、プログラムの修正が容易になります。
例えば、リテラル表記で直接値を使っている場合には、その値を修正する場合には、プログラムの全ての箇所を探して修正する必要があります。しかし、変数を使うことで、値の変更が容易になります。

 変数の値を変更するだけで、プログラムの全ての箇所でその値が適用されます。