i-school - ゲーム内の導線と演出の考え方

はじめに


 ゲーム内の導線と演出は、プレイヤーがゲームをスムーズに進行し、楽しむために不可欠です。

 プレイヤーに次に何をすべきか、どのボタンを押すべきかを明確に伝える方法に焦点を当てます。
さまざまな画面演出テクニックを紹介し、プレイヤーが迷子にならずにゲームを進められるようにする方法を探求しましょう。


制作者の視点

1.クリアなゴールの設定


 ゲームデザインの初めに、プレイヤーがどこに向かうべきかを明確に設定しましょう。
ゲームのゴールやミッションを明示的に示すことは、プレイヤーがゲームの方向性を理解しやすくします。
ゴールを明確に伝えるためには、ゲーム内の要素やストーリーを活用しましょう。


2.ユーザーインターフェース(UI)の工夫


 UI要素を活用して、プレイヤーに次に何をすべきかを示すことができます。
例えば、矢印、ボタンの光り方、マップ上の目印などを使って、プレイヤーに目標地点や重要な場所を示しましょう。





     ↓

<イベントのあるボタンに目印をつける>





<ミニマップの用意>



3.チュートリアル


 ゲームの序盤にゲーム操作のチュートリアルを導入することで、プレイヤーに基本操作やゲームのルールを教えることができます。
しかし、情報過多にならないよう注意しましょう。

 できるならば、遊びながら自然に操作を覚えてもらえるような工夫を考えてみてください。
今まで自分が遊んできた様々なゲームの序盤のゲーム操作を思い返してみましょう。大変役立ちます。


4.インタラクティブな演出


 プレイヤーの行動に応じてイベントをトリガーすることで、ゲーム内の導線を制御できます。
例えば、プレイヤーが特定の場所に到達すると、新しいエリアが解放されたり、ストーリーが進行したりするように設計できます。

 またプレイヤーのアクションや進捗に合わせて、視覚的な演出やサウンドエフェクト(SE)を使用しましょう。
Unity のアセットストアにはパーティクルシステムを利用した演出用のアセットがたくさん用意されています。

 これにより、プレイヤーの注目を引き、重要な瞬間を強調します。


5.テストとフィードバックの収集


 ゲーム内の導線と演出を設計したら、プレイヤーのテストプレイを行い、フィードバックを収集しましょう。
制作者はゲームに慣れているため、つまづきやすい点を見落としがちです。

 実際にたくさんの所見プレイヤーに遊んでもらい、混乱する部分や改善すべき点を特定し、修正していきましょう。


ユーザーの目線


「ユーザーの目線を考慮する」ことは、ゲーム内の導線と演出を設計する上で非常に重要です。
プレイヤーがゲーム内で快適に移動し、目的地や目標を見失わないために、以下のポイントを考慮する必要があります。


1.カメラの設定


 カメラの位置とアングルは、プレイヤーの視点に直接影響します。以下の点に注意して設定しましょう。

 視野角(Field of View):
   プレイヤーが周囲の環境を見渡せるように、適切な視野角を設定しましょう。狭すぎると情報が欠け、広すぎると過負荷になる可能性があります。

 カメラの高さと角度:
   カメラの高さや角度は、プレイヤーの目線を調整します。ゲーム内の状況に合わせて、カメラを設定して、プレイヤーが重要な情報にアクセスしやすくしましょう。
   3Dゲームの場合にはカメラの切り替えが頻繁に発生したり、ユーザーが操作できることもありますので、適切な角度や見せ方を保つように繰り返し調整してください。


2.ユーザーインターフェース(UI)


 UI要素もユーザーの視線に影響を与えます。
見やすいもの、ゲームの雰囲気を損なわないようなものを採用しましょう。

 特にゲーム内で表示するHUD(ヘッドアップディスプレイ)要素は、プレイヤーが注意を向ける場所に配置しましょう。
たとえば、体力バー、アイテムアイコン、ミニマップなどは、画面の適切な位置に配置して情報を素早く把握できるようにしましょう。

 加えて、プレイヤーにどのボタンを押すべきかを示すボタンのヒントやアクションガイドを表示し、操作方法を分かりやすく伝えましょう。

 遊ぶ人の目線で、これらの部分を見つめ直すことが重要です。


3.レベルデザイン


 ゲーム内のレベルデザインもプレイヤーの目線に大きな影響を与えます。

 レベル内で視覚的な導線を設計し、プレイヤーに進むべき方向を示しましょう。
明るい色、光、目立つ物体などを使用して、プレイヤーの視線を誘導します。

 重要な場所やアイテムには、特に注意を向けるようにしましょう。
これにより、プレイヤーはゴールや目的地を見逃すことなく、効率的に進行できます。

 寄り道をするかどうかはユーザーに委ね、いつでも本ルートに戻れるような仕組みを考えておくことが大切です。


4.プレイテストとフィードバック


 最後に、ユーザーの目線を考慮した導線を設計したら、プレイテストを行い、プレイヤーからのフィードバックを収集しましょう。
プレイヤーが不明瞭な部分や混乱する要素を指摘し、それに対応することで、ゲーム体験を向上させることができます。


まとめ


 制作者としての視点、そして、ユーザーの目線を考慮することは、ゲームデザインの基本原則です。
プレイヤーが楽しみながらゲームを進行できるようにするために欠かせない要素です。

 それらを考慮したゲーム内の導線と演出は、プレイヤー体験に大きな影響を与える重要な要素です。
明確なゴール設定、効果的なUI、インタラクティブな演出を活用して、プレイヤーがゲームを楽しむためのガイドラインを実現しましょう。
そして、プレイヤーが迷子になることなく、ゲームをスムーズに進められるように設計しましょう。