PhantomRose　スクリプト⑫

　前回の手順からの続きです。

　GameData クラスをピュアクラスに変更し、クラス全体をセーブ・ロードできる状態にします。

設計

　GameData クラスをピュアクラスに変更し、クラス全体をセーブできる状態にします。
ただし、GameData はシングルトンクラスであり、そのままですと GameData への参照がなくなってしまい不便です。
そこで新しく GameDataManager クラスをシングルトンクラスとして作成し、その中で GameData クラスを管理するように設計を変更します。

　この状態にすることで、GameData については、GameDataManager を通じてアクセスする状態を作りだし、
いままでと同じようにシングルトンのようにどこのクラスからでも参照できるようにします。

GameData クラスの修正

　ゲーム内のデータを保持するクラスです。
プレイヤーの情報や敵の情報、ステージの情報などを管理するためのクラスを作成し、一元管理するようにします。
　
　このクラスは多くのクラスから参照されることが多くなる前提ですので、シングルトン・デザインパターンを利用した設計を行います。

　特にシングルトンクラスの場合、シーン遷移時にも破棄されないゲームオブジェクトとすることで
どのクラスからでも変数やメソッドにアクセスでき、シーン遷移後も利用することができるクラスとして成立します。

GameData.cs

<= クリックすると開きます。

using UnityEngine;
using UniRx;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;

[System.Serializable]    // シリアライズ可能な状態にしておくことで、インスペクターに表示されるとともにセーブ・ロードが可能になります。
public class GameData    // MonoBehaviour クラスの継承を削除します

    private Character player;
    private Character opponent;

    
////** GameData 型の instance 変数と、Awake メソッドを削除します　**////

////** 新しい変数を追加します　**////

    public Dictionary<int, int> myCardList = new();  // Dictionary<serialNo, cardId>

    public List<CardData> attackCardList = new();
    public List<CardData> magicCardList = new();

    public int handCardCapacity;  // TODO とりあえず、固定値

    public int inventoryCapacity;
    public List<ItemDataSO.ItemData> myItemList = new();

    public List<int> achievedChallengeTaskList = new();

    public ReactiveProperty<int> DiamondCount = new();
    public ReactiveProperty<int> RubyCount = new();

    public ReactiveProperty<int> PurpleGemCount = new();
    public ReactiveProperty<int> GoldGemCount = new();
    public ReactiveProperty<int> DiamondGemCount = new();
    public ReactiveProperty<int> RubyGemCount = new();

    public ReactiveProperty<bool> HasSaveData = new();  // セーブデータがあるかどうか。ある場合、その情報を使って中断した部分から再開する。

    private Character player;
    private Character opponent;

    private Dictionary<GemType, ReactiveProperty<int>> gemCounts = new();

    private int currentSerialNo;  // カードの通し番号の最後の値。カードを生成する際に、この値をつけ、通し番号は常に一意なものとする
    public int CurrentSerialNo
    {
        get => currentSerialNo;
        set => currentSerialNo = value;
    }


////** ここまで　**////

    
    /// <summary>
    /// キャラクターの生成
    /// プレイヤーと対戦相手共用
    /// </summary>
    /// <param name="status"></param>
    /// <param name="hp"></param>
    public void InitCharacter(OwnerStatus status, int hp) {
        if (status == OwnerStatus.Player) {
            // プレイヤーのインスタンスを生成し、HPを設定
            player = new(hp, status);
        }
        else {
            // 対戦相手のインスタンスを生成し、HPを設定
            opponent = new(hp, status);
        }
    }

    /// <summary>
    /// プレイヤーの取得
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    public Character GetPlayer() => player;

    /// <summary>
    /// 対戦相手(エネミー)の取得
    /// </summary>
    /// <returns></returns>
    public Character GetOpponent() => opponent;

    
////** メソッドを追加します　**////


    /// <summary>
    /// 自分からみて、ターゲットを見つける
    /// </summary>
    /// <param name="myStatus"></param>
    /// <returns></returns>
    public OwnerStatus GetTarget(OwnerStatus myStatus)
    {
        return myStatus == OwnerStatus.Player ? OwnerStatus.Opponent : OwnerStatus.Player;
    }

    /// <summary>
    /// 引数に指定した通し番号を持つカードをmyCardListから削除
    /// </summary>
    /// <param name="serialNo"></param>
    public void RemoveMyCard(int serialNo)
    {
        if (myCardList.ContainsKey(serialNo))
        {
            myCardList.Remove(serialNo);
        }
    }


////** ここまで　**////


　　// TODO カード管理用の処理を追加する

}

GameDataManager クラスの作成

　以前の手順で作成してある AbstractSingleton クラスを継承し、シングルトンクラスとして作成します。

　Awake 内部の２つのボタンの処理はセーブ・ロードのデバッグ用です。

GameDataManager.cs

<= クリックすると開きます。

using UnityEngine;
using UniRx;
using UniRx.Triggers;

public class GameDataManager : AbstractSingleton<GameDataManager>
{
    public GameData gameData;


    protected override void Awake()
    {
        base.Awake();

        this.UpdateAsObservable()
            .Where(_ => Input.GetKeyDown(KeyCode.Space))
            .Subscribe(_ => PlayerPrefsHelper.SaveGameData());

        this.UpdateAsObservable()
            .Where(_ => Input.GetKeyDown(KeyCode.L))
            .Subscribe(_ => PlayerPrefsHelper.LoadGameData());
    }
}

GameData ゲームオブジェクトの名前を GameDataManager に変更し、GameDataManager をアタッチする

　GameData クラスが MonoBehaviour クラスではなくなったため、インスペクターにエラーが発生しています。

　GameData クラスを Remove し、代わりに GameDataManager をアタッチしてください。
インスペクターを確認し、GameData クラスが表示されていて、クラス内のメンバ変数が表示されていることを確認してください。
もしも GameData の名前しか出ておらず、メンバ変数が表示されていない場合には、
GameData クラスに [System.Serializable] 属性が付与されているかを確認してください。

ゲームを実行して動作の確認を行う

　セーブ・ロード用のデバッグ処理を記述していますので、
実際に GameData クラス内に値を入れた状態でセーブを行ってください。

　その後、ゲームを停止して再起動し、ロード処理を行ってください。
GameData クラス内に以前の状態が復元されれば処理は正常に動作しています。

このページを編集するこのページを元に新規ページを作成

印刷する

コメント（0）

PhantomRose　スクリプト⑫ - i-school 先頭へ

コメントをかく

名前	ユーザIDを使用しないで書き込む	ユーザーIDを使う	ログインする
画像コード	画像に記載されている文字を下のフォームに入力してください。
備考	「http://」を含む投稿は禁止されています。
本文
利用規約をご確認のうえご記入下さい

i-school